島根、特に松江と言えば出雲蕎麦ですが、松江の多くの蕎麦屋さんは昼間営業で夜は営業していません。
そんな中、夜営業で出雲蕎麦と日本酒を軸に「そば前」も提供してくれるお店が、今回ご紹介する「そば遊山」さんです。
地元の日本酒好きにも人気のお店ですが、旅行で島根にいらっしゃった方にも是非おすすめしたいお店です。
「そば遊山」は出雲蕎麦とそば前、日本酒を嗜むお店
「そば遊山」は蕎麦と日本酒に重点を置いたお店です。日本酒は島根・鳥取の地酒が充実しているだけでなく、県外の美味しいお酒も仕入れて居られます。
さらにお酒ごとに燗の温度を変えるなど、日本酒へのこだわりが大変強く、日本酒が好きな人には是非ともおすすめしたいお店です。
そして蕎麦を待つあいだにお酒を飲みながら愉しむ「そば前」が充実していることが、このお店の最大の特徴と言っていいでしょう。
出雲蕎麦、そして「そば前」と地酒で島根の味覚を愉しみたい人は是非「そば遊山」へ寄ってみてください。
「そば前」とは蕎麦を食べる前に日本酒と一緒に愉しむ肴のこと
「そば前」はもともと江戸時代の文化の中で生まれました。蕎麦屋に入って蕎麦がゆで上がるまでの間、ちょっとした肴をつまみながらお酒を飲んで待ち、蕎麦が出来上がったらすすって店を出る、当時はそんな食べ方が粋だと考えられていたそうです。
蕎麦ができる間のつなぎなので、肴として出てくるのは天麩羅や玉子焼き、味噌焼きなど、蕎麦屋の材料で簡単にできるものが中心だったようです。
料理でお腹一杯になるというよりは…
そば遊山はあくまで蕎麦と地酒、そしてそば前を愉しむお店です。刺し身の盛り合わせや鶏唐揚げ、焼き鳥など、料理でお腹いっぱいになる普通の居酒屋を想像していくとちょっと違うかもしれません。
とはいえ、私のように少食の人は普通に満腹になりますけどね。
おしゃれな雰囲気の店がまえ
明るい色調の木材を使った、おしゃれな雰囲気の外観
外観は明るい色調の木材を使った、おしゃれな雰囲気になっています。
入り口の戸がちょっと変わってるので、「あれ?どうやって入るの?」と思われるかもしれません。扉を軽く押せば開いて入れます。
店内もおしゃれで明るい雰囲気
お店に入って最初に目に飛び込んでくるのは、カウンターとテーブル席を仕切る空間に並んだ日本酒の酒瓶です!
島根・鳥取のお酒を中心に酒瓶が並ぶさまに圧倒されますね。ウッドを使ったデザインの店内も明るい雰囲気でおしゃれ感が高いです。
おひとり様でも来店しやすいカウンター
私はたまに1人で行きますが、こちらのお店はカウンターがあるし、落ち着いた雰囲気で1人でも行きやすい点が嬉しいです。
この日もカウンターには私の他に2名の方が、1人で来店して蕎麦と日本酒を楽しんでおられました。
3人以上なら座敷で
2人なら状況に応じてカウンターか座敷に通されます。3人以上なら座敷が空いていれば座敷ですね。
最初の一杯は「どぶハイ」「ざるハイ」でどうぞ
「そば遊山」にはビールもありますが瓶ビールのみとなります。もちろん瓶ビールで最初の乾杯もありですが、それ以外に「どぶハイ」「ざるハイ」という選択肢もありますよ。
どぶハイは「生酛のどぶ」、ざるハイは「梅津のざる」という地元のにごり酒をソーダでわったものです。ソーダで割ることで日本酒の重さは消えて、最初の一杯に最適です。
日本酒が苦手という人にも是非試してほしいです。
地酒との相性抜群「つくね焼き」
最初にいただくのは「つくね焼き」。つくねの上に卵黄がポテっとのっかってます。卵黄をつぶしてまぶしてどうぞ。
合わせる日本酒には奈良の「鯉川」を
地酒が豊富なお店なのにいきなり県外のお酒ですが、山形の「鯉川」を燗で注文。
こちらのお店は同じ燗を注文しても、お酒の性格に合わせて温度調整してくださいます。
鯉川はややぬるめの燗で温めてくれました。味の方は米の旨みがしっかりふっくら感じられるお酒で大変美味しかったですし、先に頼んだ「つくね焼き」との相性もよく愉しめました。
フナの粕汁(アラ汁)
続いて注文したのはフナのアラで作った粕汁です。酒粕はしまねの地酒「玉櫻(たまざくら)」の熟成純米酒粕を使っており、これに日本酒を合わせると日本酒で日本酒を飲んでいるようなやばい人になれます(笑
酒粕とフナの相性もよく、川魚で心配されがちな臭みも全くありませんでした。
迎え討つは埼玉の地酒「釜屋新八」
一緒に頼んだのは埼玉の「釜屋新八(かまやしんぱち)」。こちらは燗をせずに冷酒でいただきました。
味は甘味や吟醸香は少なめでキリッとしており料理に合わせやすいお酒です。ただ、ちょうど今いただいていたのが「フナの粕汁」で、これにはちょっと負けてましたかね(笑
お店の方も「フナの粕汁にはちょっと弱いかもしれませんね」と言って居られました。ただお酒自体はとても美味しかったです。
厚揚げ焼き
続いては「厚揚げ焼き」を注文。わたしの実家では厚揚げと言えば出汁で煮てたっぷりとダシ汁を吸い込ませた厚揚げが定番でしたが、大人になって焼いた厚揚げの美味しさを知りました。
テーブルに醤油がありますので、ちょっと垂らしてかぶりつくも良し、添えられた味噌や大根おろし、薬味で頂くも良し。いずれにしても日本酒との相性は抜群です。
厚揚げと愉しむのは十旭日(じゅうじあさひ)の熱燗
十旭日(じゅうじあさひ)は地元で愛されているお酒。最近流行している果実のような香りや甘味ではなく、米の旨みで正面から押し切るお酒です。
しかも今日注文したのは1年以上寝かせた熟成酒。見た目が黄色がかっており、燗も先ほどの鯉川から一転、とっくりを持つと「熱っ」てなるほど熱々にしてくださいました。
厚揚げとも合うけど、むしろこっちがフナの粕汁に最適だったかな? しかし美味しい!
オリジナルの「しじみ蕎麦」で〆
最後のシメに頂いたのは松江の宍道湖で採れるシジミを使った「しじみ蕎麦」。
こちらのお店は注文によって挽き方が異なる2種類のそば粉を使い分けており、しじみ蕎麦は「丸抜き十割蕎麦」という白っぽい蕎麦でいただきます。
味の方はシジミの出汁が出ており、それを活かすため蕎麦つゆは無し。その分、蕎麦の香りとシジミの旨み、そして松江の隠れた名物セリのさっぱりした味わいが美味しかったです。
メニュー
標準メニュー(食事)
標準メニュー(ドリンク)
地酒メニュー
本日のお品書き
まとめ
そば遊山は日本酒好き、蕎麦好きにとっては堪らないお店です。日本酒は島根・鳥取の地酒を中心に、県外のお酒も愉しめます。
熱燗を頼んだ時はお酒の性格に合わせて、店主自らちょうど良い加減の温度にあたためて出してくれますし、そば前も他では食べられない珍味ばかりです。
そして、もともとは蕎麦が茹で上がるのを待つ間に頂く肴だった「そば前」をメニューの中心に据えているのが最大の特徴です。そば前には味噌焼きや玉子焼きのような定番だけでなく、時期によってフナやキジなどのジビエも使うなど工夫を凝らしておられます。
島根の蕎麦と地酒、そして「そば前」を是非多くの方に味わってほしいです!
島根のホテル・旅館
以前書いた記事で島根のおしゃれなホテル、高級ホテルをご紹介しています。
島根旅行を予定しておられる方は是非一度ご覧ください。そして今回の記事で行ってみたいと思われた方は「そば遊山」に是非寄ってみてくださいね。
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そば遊山 基本データ
店名 | そば 遊山(そば ゆうざん) |
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ジャンル | そば |
予約・ お問い合わせ | 0852-27-5467 |
予約可否 | 予約可 |
住所 | 島根県松江市末次本町18 大きな地図を見る |
交通手段 | 松江しんじ湖温泉駅から825m |
営業時間 | 営業時間[火~木] 17:30~23:00(L.O22:30) [金・土] 17:30~24:00(L.O23:30) 定休日日曜、第2第4月曜 |
予算 | ¥3,000~¥3,999 |
支払い方法 | カード可 VISA、Master、 JCB、AMEX、 Diners 電子マネー可 |