世界最大手のホテル予約サイト「ブッキングドットコム」について、トラブルが多いという評判があるようです。
そこで今回はブッキングドットコムを７年間使っている筆者の経験から、実際のところどうなのか、本記事でお伝えしたいと思います。
ブッキングドットコム概要
ブッキングドットコム（booking.com）はオランダ・アムステルダムに本社を置くBooking.com B.V.が運営するホテル予約代行サービスです。
日本でいうところのじゃらんや楽天トラベルと同等のサービスですが、ブッキングドットコムの最大の特徴は世界で展開しているという点です。
また、海外サービスではありますが日本国内のホテルも多く登録されていてメインのホテル予約サービスとして使っても問題無いレベルです。
ただ私の体感では楽天トラベルやじゃらんの方が登録施設がやや多いと感じます。
筆者のブッキングドットコム使用歴
筆者がブッキングドットコムを使い始めたのは2015年。
そして2022年12月現在、私のGeniusレベルは最高レベルの３です。
また、私のブッキングドットコム使用頻度は以下の通りです。
| 年 | 宿泊数 |
| 2015年 | 2泊 |
| 2016年 | 0泊 |
| 2017年 | 2泊 |
| 2018年 | 7泊 |
| 2019年 | 13泊 |
| 2020年 | 5泊 |
| 2021年 | 4泊 |
| 2022年 | 2泊 |
職業柄デスクワークなのでそんなに出張がないです。なので宿泊数としては特別多くはないですね。
ただ2019年に複数人で出張の際のホテル予約を私が引き受けて、全部ブッキングドットコムから予約した結果、一回の出張で13回分の宿泊予約をゲット。
その前後の宿泊数と合わせて２年で１５泊を超えたことによりGeniusレベル3になったようです。
ブッキングドットコムは実際にひどいのか？ 私の感想
ネット上の記事になっているのはキャンセルに伴うトラブル
口コミサイトなどを見ると「ブッキングドットコムがひどい」というような記事が幾つか有りました。内容を読んでみるとほとんどがキャンセルに関連するトラブルのようです。
私自身はトラブル経験はゼロ
ただ、結論を先に書いておきますと私自身は７年間使ってきてブッキングドットコムで特に困ったことやトラブルになったことはありません。
何回か宿泊キャンセルもしていますが特に問題なくキャンセルできています。
それどころか、過去に一回だけ、キャンセル不可の予約をした後で間違えたことに気づき、すぐにホテルに直接電話したらキャンセルしてもらえたこともありました（もちろんブッキングドットコムからの請求もありませんでした）。
したがって私の経験からすると「ブッキングドットコムはひどいサービスではない」ということになります。
あくまで私個人の経験によるものですが、サービスとしては良心的なのではないかと感じています。
以下に過去の私のキャンセルを含む予約履歴を載せておきますね。一旦ホテルを予約した後で、より良いホテルを見つけたので、先に予約していたホテルをキャンセルして、別途予約し直した時のものです。
注意点として、私がブッキングドットコムを使って宿泊したのは全て国内のホテルです。海外のホテルではまた事情が違っているかもしれませんので、その点はご注意ください。
予約したはずのホテルで「予約がない」と言われた理由
過去に2,3回、ブッキングドットコムで予約したホテルに行ってチェックインしようとしたら「予約がない」と言われたことがあります。
ただ実際には予約はちゃんとできていました。
何が原因だったかと言うと、ブッキングドットコムでは登録名がローマ字になるのです。例えば私の名前の「鹿野 弘恵」はブッキングドットコムのアプリに登録する際に「Hiroe Shikano」となっています。
すると、ホテルの予約の際にもローマ字、つまり「Hiroe Shikano」で予約されており、てっきり日本語で予約されていると思い込んだホテルの受付の人が私の名前を見つけられない、ということが発生するようです。
それ以来、ホテルの受付の人が名前を探すのに手間取っている場合は「予約名はローマ字です」と伝えるとすぐに見つかります。はじめて「予約がない」と言われた時はけっこう焦りましたけどね。
ブッキングドットコムで予約した宿のキャンセル方法
ブッキングドットコムで一度宿を予約し、何らかの理由でキャンセルする場合はスマートフォンアプリまたはWeb画面から行えます。
例としてアプリの場合、
- 画面下の「予約」をタップし、自分が予約している一覧を確認。
- キャンセルするホテルの右上のメニューをタップ。
- 表示されたメニューから「予約をキャンセル」をタップ。
あとはキャンセル理由などを入力してキャンセル完了です。
注意点として、ホテルの予約時に「キャンセル不可」と表示されている場合は原則としてキャンセルできません。その場合はキャンセルできない分、安く提供されている可能性が高いです。
ただ、キャンセルは不可でも日程変更が可能な場合もあります。いずれにしても予約時にキャンセルポリシーを必ず良く確認する必要があります。
ブッキングドットコムの良い点は？
ブッキングドットコムの良い点
- 割引率が大きい。
- 一度Geniusレベルが上がると、その後下がることがなく、ずっと割引適用される。
- 何もしなくても自動的に割引が適用される。
- 料金をプラスして部屋をアップグレードできる場合がある。
- 国内外問わず使える。
1に関しては、この後ブッキングドットコムの割引の仕組みをご説明します。
２，３について、ポイントの適用や割引の適用を自分でする必要がないのはズボラな私には嬉しい点です。
実際、私は最近までGeniusレベルの意味を知らずにブッキングを使っていましたが、自動的に割引適用されるので意味を理解していなくてもちゃんと割引の恩恵を受けることができていました。
割引を受けるために、ポイント適用や会員レベルを下げないための努力など一切しなくていいというのは嬉しい点です。
なお、後述の通り、全国旅行支援の割引も自動的に適用され、割引後の金額が表示されます。
宿泊料金の割引率が大きい
ブッキングドットコムを使って最も恩恵があるのはやはり割引率です。とくにGeniusレベル3になると、ホテルによってはかなり割引されます。
試しにひとつ東京のホテルをブッキングドットコムのiPhoneアプリで探してみましたところ、以下のようなホテルが見つかりました。
検索時に「２名」で宿泊という条件を付けているので表示されているのは２名分の料金です。
ご覧の通り、本来なら ￥52,864 するはずのホテルが ￥34,592（差額 ￥18,272）で宿泊できてしまい、２名で２万円近くも得をすることになるわけです。
実際にこの金額で予約できるお部屋の内容を確認すると…
こんな感じで、お部屋の設備もなかなか良さそうです。さらによく見ると割引とは別に「￥2,698相当のポイントを獲得」と表示されてます。先程の割引分と合わせて、お得分は２万円を超えてきますね。
でも何故こんなに割引されているのでしょう？ ブッキングドットコムでは割引の内容も確認できます。
上記の通り、割引の内訳は
- Genius割引： -￥5,286
- ホテル側による割引： -￥4758
- モバイル端末予約による割引： -￥4,282
でした。全部合計すると￥18,272の割引になります。ちょっと驚くのはモバイル端末、つまりスマートフォンアプリから予約しているというだけで￥4,282も割引されていることです。
ホテルや予約時期、Geniusレベルなど色々な条件で割引率が変わってくるのですが、こういう高い割引率のホテルが結構あるので、うまく使えばかなり宿泊費を節約できるのがブッキングドットコムのいいところですね。
料金をプラスして部屋をアップグレードできる場合がある
ブッキングドットコムでホテルを予約すると、アプリが時折アップグレードを提案してきます。
上記のメッセージはその提案を受け入れてお部屋をアップグレードしたときのものです。アップグレード前は「眺望なし」つまり眺めの良くない部屋でしたが、プラス￥55を支払って眺望ありの部屋にアップグレードできました。
アップグレードの提案は必要なければ単に無視すればOKです。今回のようにたった￥55で「眺望なし」から「眺望あり」に変更できるなら、変更したほうが良いでしょうね。
￥55というタダ同然の差額でのアップグレードは大成功の部類ですが、たとえば数千円を追加してスタンダードルームからスイートルームにアップグレードできる、というような提案もあります。提案を受け入れるかどうかは常にユーザー側が決めますから、状況や同行者の意見によって判断すればいいでしょう。
実際にアップグレードしたお部屋
実際にプラス55円で「眺望あり」にアップグレードしてもらったお部屋です。部屋から別府の街並みが綺麗に見えますし、お風呂も眺望があってよかったです。
Geniusレベルとは
Geniusレベル別の特典内容
先程から何回か話題に登っているGeniusレベルですが、これはブッキングドットコム特有の割引システム上のレベルです。Geniusレベルには１〜３までの３段階があり、それぞれに割引率が異なります。
Genius各レベルの割引率は以下の通り。
- Geniusレベル1： 割引率10％
- Geniusレベル2： 割引率10〜15％
- Geniusレベル3： 割引率10〜20％
また、割引以外にも無料の朝食や客室アップグレードなどの特典が受けられます。
注意点として、上記のGenius割引が全てのホテルに適用されるわけではありません。全体の傾向として都会ほどGenius割引が適用されるホテルの割合が多い気がします。
Geniusレベルを上げるには
各レベルになるための条件は以下のとおりです。
- Geniusレベル1： 無条件で全員。
- Geniusレベル2： ２年間で５回宿泊する。
- Geniusレベル3： ２年間で１５回宿泊する。
宿泊金額ではなく回数で決まるのが重要ポイントですね。出張の多い人はひたすらブッキングドットコムで予約すればあっという間にレベル３に到達しそうです。
なお、一度上がったレベルが下がることはありません。レベル3に到達した後にブッキングドットコムを全く使わなくてもレベル３のままです。
他の人の予約も宿泊数としてカウントされる
前述の通り、出張などで複数人で宿泊する時、予約を引き受けて全部ブッキングから予約すると人数分（正確には部屋数分）が宿泊数としてカウントされます。
例として、５人で２泊する出張の場合、あなたが「予約しときますよ〜」と引き受けて、全員の２泊分をブッキングドットコムから予約すると、それだけで１０回分の宿泊予約をしたことになります。実は私もこの方法でGeniusレベル3に昇格しました。以下はその際の履歴です。一度こういう事をしてGeniusレベル３に昇格すると、その後は宿泊数が少なくてもずっと割引の恩恵が受けられるのでおすすめの方法です。
割引は自動的に適用される
実際にGeniusレベルを獲得したときに、どうやって割引を適用するかですが、結論を書きますと何もする必要はありません。
割引はブッキングドットコム側で自動的に適用され、割り引かれた後の料金が表示されていますので、何も考えずに予約すれば割引の恩恵を受けたことになります。
ブッキングドットコムで全国旅行支援の割引は使える？
ブッキングドットコムは外国企業が提供するサービスなので全国旅行支援は使えないんじゃないかと思われているかもしれません。
ただ、結論を書きますと、ブッキングドットコムで全国旅行支援の割引は使えます。
ブッキングドットコムで全国旅行支援を使うのに特別なことをする必要はありません。ブッキングドットコムのサイトやアプリでホテルを見た時、「全国旅行支援」マークが表示されていたら割引対象施設であり、自動的に割引された料金が表示されます。
総評
「ブッキングドットコムがひどい？ 割引率は？ 実際に７年間使っての感想」というテーマでここまでご覧いただきました。
もちろんここに書いている内容は私個人の経験に基づくものですので、条件が変われば色々と違う事も出てくるかもしれないことはご了承ください。
ただ、個人的には宿泊予約にブッキングドットコムを使うことはオススメできます。
特にGeniusレベルの昇格ルールのシンプルさと、レベルが上がってからの割引率の高さ、そしてその他のモバイル予約割引やホテル側による割引など合わせると、うまく使えば一度の宿泊でかなりの割引の恩恵を受けることができますからね。